グランドマム 山本 結子様 -心地良い暮らしを提供する-

グランドマム 山本 結子氏 インタビュー

グランドマム株式会社
チーフデザイナー

山本 結子 (やまもと ゆうこ) 様

都市計画事務所・造形会社にてランドスケープ・パブリックアート(モニュメント、壁画、建築・土木の環境造形作品等)を数多く手がける。

2001年 トステムガーデニング株式会社入社。注文・分譲住宅の外構造園設計、モデルガーデンのデザインに携わる。
2007年 エクステリア販工店の企画・デザインブランド「S-Design」を設立。
2009年 グランドマム株式会社のデザイン拠点として「GM DesignOffice」を渋谷区笹塚にオープン。主にデベロッパー系の分譲住宅の企画提案・販売支援・景観設計を主体としたデザインチームを形成・現在に至る。

受賞歴のご紹介(一部)

2009年三協立山アルミ プランニング大賞
2012年2012丸の内仲通りガーデニングショー 銀賞
2014年2014エスビック大賞・優秀賞・敢闘賞 他多数

JEXA(社)日本エクステリア設計協会 理事

グランドマム株式会社

「トップランナーに訊く」第5回目は、住みやすさ、美しい住空間をつくる視点からエクステリアの設計に携わってきた、グランドマムの山本 結子氏からお話を伺ってまいりました。街並みとのバランスが取れた住宅を考える姿勢は、非常にシンプルで合理的でした。

山本さんのデザインポリシーをお聞かせ下さい。

山本氏「お客様自身が望むさらにワンランク上の暮らし方を提案し、実現することが仕事だと思っています。
初めて家を建てる人は膨大な資料の中からアイテムをチョイスしていきます。それが良いのか悪いのか、使いやすいのかどうなのか、特にエクステリアはショールームやサンプルが少なく住んでからでないとわからない。それをプロの立場でベター・ベストの方向にナビゲートすることがプロの仕事であると思います。
設計においては、暮らしやすさ、使いやすさが一番重要ですね。シンプルで機能的なものはストレスにならず、そこにいて心地が良い。違和感がなく自然で美しいもの。それを常に考えています、一番難しいですけどね。」

グランドマム 山本 結子氏 インタビュー

日本の住宅はどう思われますか?

山本氏「日本は英国調や南欧風など、流行りによって様々なデザインの家が存在します。日本の食事情と同じで何でも手に入ってしまう。その結果、家並みがばらばらになっているのが現状です。風景や情緒もないですね。私はその土地のあるべき環境に近づけていくこと、住みやすくその空気になじむような状態に近づけて、10年後20年後、美しい風景になるように整えていくことが重要だと考えます。」

10~20年は長いですね。

山本氏「大変なことですが、それはすごく必要なことで、そのときその立場の人たちが歩み寄って、『こうあるべきだ』と同じ方向を向いて歩んでいくことが本来の姿であると思います。 規制を設けることも必要ですが、理想の街に近づけていく行政やそこに住む人たちの意識、努力が今後どんどん必要になってくると思います。」

グランドマム 山本 結子氏 インタビュー

エクステリアの現状をどう思われますか?

山本氏「普段は分譲住宅の仕事が多く、早い段階からその現場に関わることが多いです。庭の取り方やリビングとのつながり、テラスからの見え方など、早い段階で打合せができることによりトータルで空間を考えることの肝になっています。しかし、それを理解してもらえる場面が少ないと感じています。外構が後回しになることが今のエクステリアの現状です。私たちが知識をつけて対等な立場で、早い段階からやりとりすることによって、一緒に家・街・風景を作っていく。外構から建築の方に、こうしたら良いですよとアドバイスをしたり、歩み寄ったり。照明の配線、水栓の配管から法的、構造的な規制など早い段階から打ち合わせをしていれば、後々余計なコストや手間が掛からずに済みます。そういう努力や働きかけは日々欠かさないようにしています。」

ご出身の大学では空間デザインを専攻されていましたが、いつからこの分野に興味を持たれたのですか?

山本氏「幼い頃から絵を描くこと、ものをつくることが好きでしたので、そういう仕事がしたいと考え、大学で空間デザインを学びました。
そして、コンサルタントで街並みの完成予想図などを描くアルバイトをしていて、自分はこういう街をつくりたいと考えるようになりました。」

それでデザイナーになられたのですね。

山本氏「卒業製作の際、教授に言われました。『芸術は自己満足だが、デザイナーはクライアントからお金をもらって、それなりのものを提供しなければならない。そういう責任の中でコツコツと作品をつくっていると、きっと周りが気づいてくれる時がくる。そのために頑張りなさい』と。」

その言葉が現在の山本さんの信念となっているのですね。

山本氏「はい。グランドマムはもともと工事の会社で、それがデザイン・設計とジョイントして今の形態ができました。小さい会社ですが、コンテストに作品を出して、受賞をし、徐々に知名度が上がりました。コツコツと地道に積み上げるだけでなく知ってもらう努力もこの業界では必要だと思います。
普段の仕事に関して言いますと、条件を満たしていれば60%でも良いのかもしれませんが、もう少しあがいて100%のクオリティにまで近付ける努力。それをするかしないかで大きく変わりますし、そこは意地とプライドですね。
山本さんに頼んで良かった。ありがとう。と言われるとすごく嬉しいですし、逆の苦い経験もありますがそれが次へのモチベーションへと繋がります。」

エクステリアにおける流行のポイントはありますか?

山本氏「トレンドは多々ありますが、そこに捕らわれず、デザインが勝ち過ぎないナチュラルなものが良いと思います。シンプルでありながらキラリと光る存在感がある。どこにあっても風景の邪魔をしないもの。こういう商品が結果、長く使われると思います、真っ白いお皿のように。シンプルイズベストですね。」

門柱 DUAL800
門柱 DUAL800

弊社で発売している機能門柱に置き換えるとどうですか?

山本氏「ポスト、照明、表札、インターホンなどアイテムが多く、デザイン要素が多いですね。
いかに要素を減らすか。いかに存在感をなくすか。ノイズレスを意識して、その空間をさりげなく演出できる商品が良いと思います。」

山本さんの今後の展望を聞かせて下さい。

山本氏「ランドスケープやエクステリア、造園、ガーデン。それぞれの分野を飛び越えていろいろやりたいですね。ランドスケープからエクステリアの分野に来ましたが、またランドスケープもやりたいし、造園も掘り下げたいです。現場で植栽作業を自分自身ですることも好きですし、その目線が必要だと考え、ジャパンガーデンデザイナーズ協会にも入っています。垣根を越えて常にどこにでも行けるための準備をしていますし、そのために常にアンテナを張るようにしています。 それと、日本の街並みがばらばらという話をしましたが、それを変えていくには規制も必要であり、行政の力が必要です。そこに働きかけるためには、意見を言えるような立場にならなければいけません。そのための準備を今後進めていきます。」

長い時間、ありがとうございました。

所感
10年から20年後を見据えた活動をしていらっしゃる山本チーフ。
インタビューの最中ペンを取り、イメージを言葉とビジュアルで示して下さる親身、且つ積極的な姿勢に、提案への熱意を感じました。
ものづくりは、住む人に活かされなければ、価値はない。主張せずとも、しっかりとその環境に溶け込んでいる商品を今後の課題としていきたいと思います。
これからの街並みの変化を、我々メーカーは、商品・サービスを通じて支えていきます。

(聞き手 トーシンコーポレーション 新沼 歩)

グランドマム 山本 結子氏 インタビュー

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